1959年(昭和34年)10月に大学の鉄研の仲間と仙台とその近郊の鉄道を廻りました。秋保電鉄(あきうでんてつ)を訪れたの は既に日が西に傾いていた時刻でした。仙台の長町から有名な秋保温泉に達する16.0km、ゲージ1067、架線電圧DC600Vの電気鉄道でした。

 

仙台市電 秋保電鉄前停留所    1959-10-17

 

 東北本線仙台駅から上野寄りの1っ目、長町駅の前に、仙台市電の南の終点「長町駅前」がありました。この一つ手前に「秋保電鉄前」電停があり 、秋保電鉄はここからほぼ西に走り、秋保温泉駅に向います。

 

 秋保電鉄長町駅で発車を待つモハ1403+サハ402    1959-10-17

 

 秋保電鉄の駅に入ると木造単車の電車がポールをあげて、ダブルルーフ木造単車の付随車を従え、客を待っておりました。

しかし、電動車モハ1403の足元を見ると、なんと、ボギー車なのです。木造単車(4輪車)をボギー車に改造したようでした。車体は単車時代のままで、長さは10m に満たないのではないかと思いました。バッファーを付けたリンク式連結器を付けており、当時でも、クラシックなスタイルに見えました。秋保温泉まで、約1時間を要したので、バスに客を取られ、1961年(昭和36年)5月に廃止になってしまいました。

 廃止が早く、あまりその姿も残っていないようです。長町駅付近で、すこし撮りました。夕暮れの撮影で、良い写真は撮れませんでしたが、ご覧頂きたいと思います。

 

サハを牽くモハ1408  西多賀〜長町   1959-10-17

 

 モハ1408はダブルルーフでした。

 

サハを牽くモハ1400形  西多賀〜長町   1959-10-17

 

電動車は単車であったのをボギー車にしたのが、車体の切りかきで分かります。この付随車は電車のような単車ではなく、貨車のような2軸が独立した4輪車です。

 

モハ1400形単機運転  西多賀〜長町   1959-10-17

 

モハ1400形単機運転  西多賀〜長町   1959-10-17

 

 電動車だけで運転することもあったようですが、客の姿はわずかでした。

 

EB101牽引の貨物列車  西多賀〜長町   1959-10-17

 

 秋保電鉄は秋保石(凝灰岩の一種)の運搬も目的に建設されたとのことで、小さな凸型電気機関車EB101牽引の石材運搬列車も走っておりました。

 

モハ410 長町   1959-10-17           長町車庫の単車群   1959-10-17

 

 長町駅の傍らの車庫には5台の車両がありました。モハ410は仙台市電43形の注文流れとのことで、車庫の奥にも同型のモハ411が居ました。

 

 1959年7月には仙南交通自動車と合併し、仙南交通秋保線になりましたが、市電の停留所も「秋保電鉄前」でしたので、このページも「秋保電鉄」にしました。

 

 参考文献  

  フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「秋保電気鉄道」

 

(2009-11-22)
(2016-9-24)更新


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