伊豆急開業(1961年)
1961年(昭和36年)12月10日に伊東ー伊豆急下田間45.7kmの伊豆急行が開業しました。伊豆の東海岸を走るハワイアン・ブルーの軽快な電車のイメージの大きい伊豆急は「40年前の鉄道風景」の仲間とは思いませんでした。しかし、その開通は47年前のことでした。開業当日の伊豆急を訪れた時の数コマをご覧頂きたいと思います。
153系伊豆急開業祝賀列車 東京駅 1961-12-10
伊豆急は国鉄列車の乗り入れを想定し、国鉄幹線レベルの施設の建設をしたようで、開業当日より、東京駅から伊豆急下田までの列車が走りました。開業祝賀列車も国鉄153系電車により、東京駅から運転されていました。早朝の東京駅では、出発式も行われ、私鉄の開業のセレブレーションとは思えませんでした。
153系伊豆急開業祝賀列車伊東駅進入 1961-12-10
伊東駅に進入する祝賀電車です。
どうやら、祝賀電車には乗らず、東海道線の準急を捕まえ、伊東駅に先回りしていたようです。
伊豆急行開通祝賀一色の伊東駅前 1961-12-10
伊東駅前は伊豆急開業祝賀の飾りでいっぱいです。
伊豆急100系伊豆急下田ー熱海直通電車 伊東駅 1961-12-10
伊豆急100系5両編成で伊豆急下田ー熱海間の伊東線直通列車が運転されていました。
旧形国電で運転の伊東線電車 伊東駅 1961-12-10
伊東線はスカ色の旧型国電で運転されており、伊東方にはクハニ67形900番台が連結されていました。クハ55の改造で、荷物用扉以外はクハ55の窓配置のままのようです。
祝賀列車が到着した伊豆急下田駅 1961-12-10
祝賀列車の到着した伊豆急下田駅のホームは意外に静かでした。
祝賀の花輪が並ぶ伊豆急下田駅 1961-12-10
祝賀塔 伊豆急下田駅 1961-12-10
開業当日の伊豆急下田駅前 1961-12-10
開業当日の伊豆急下田駅ホーム 1961-12-10
駅前には祝賀塔が立ち、花輪で埋め尽くされていました。駅周辺は田園でのんびりしたものでしたが、アドバルーンが上がり、長年待ち望んだ電車の開通の祝賀気分で一杯でした。
伊豆急100系伊豆急線内電車 伊豆急下田 1961-12-10
伊豆急線内の電車は100系、2両ないし3両で運転されていました。この写真の電車は
(伊東方) クモハ100形+クハ150形+クモハ110形(クモハ117) (下田方)
です。
国鉄から乗り入れの86系湘南電車 伊豆急下田駅 1961-12-10
東京から準急「伊豆」と土休日運転の「おくいず」が運転されていました。これらは153系で運転されていたと思いますが、東京から伊豆急下田までの 湘南電車86系で運転されていた普通列車もありました。
100系は車長20m、2扉、転換クロスシート(扉付近ロングシート)の軽快な電車でした。
クモハ100形 両運転台 120kW電動機4台搭載、中空軸平行カルダン 4両
クモハ110形 片運転台 120kW電動機4台搭載、中空軸平行カルダン 10両
クハ150形 6両
サロハ180形 半室一等車 2両
の合計22両が開業時作られました。
クモハ110形、クモハ115 伊豆大川 1962-1-27
サロハ180形、サロハ182 伊豆大川 1962-1-27
伊豆急線内の電車はクモハ110+クハ150の2連、多客時はこれに両運のクモハ100を連結して、3連で運転されていました。
熱海ー伊豆急下田間の電車は伊東線に合わせて、5連とし、半室の一等車も連結されていました。
(下田方) クモハ110+クハ150+クモハ110+サロハ180+クモハ110 (伊東方)
が基本編成として、考えられたようです。
100系はハワイアン・ブルーの電車として伊豆急のイメージになっていましたが、開業時はカラーでは撮っていませんでした。上は後年、撮影したものですが、100系のカラーの感覚にほぼ合っているのではと思います。
鉄道ピクトリアル1961年12月号「開業を待つばかりの伊豆急」には腰はスカイブルー、窓廻りから上は水色がかったグレーで、銀帯が入ったものとありま した。
謝意
作成にあたり、友人のMTさんにご教示頂きました。謝意を表したいと思います。
参考文献
鉄道ピクトリアル 1961年12月号 通巻125号 開業を待つばかりの伊豆急
(2008-12-8)
(2019-6-24)訂正