高山本線は飛騨山地の山々を縫い、岐阜 から高山を経て富山に至る225.8kmの路線です。本線を名乗っているとは言え、実際には全線単線、非電化のローカル線です。1958年(昭和33年)3月1日に 初めての優等列車、準急「ひだ」が名古屋、岐阜から富山まで、走り始めました。
この準急「ひだ」が走り始めた年に、富山平野の神通川扇状地の要に当たる笹津付近で高山線列車を少し撮りました。
準急「ひだ」706レ名古屋行 東八尾ー笹津
準急「ひだ」はキハ55系気動車で運転されました。
キハ55は1956年(昭和31年)10月に準急「日光」として、走りはじめた初めての本格的準急用気動車です。 1955年(昭和30年)3月に関西本線、準急「かすが」の1往復が2機関搭載試作車キハ50により、気動車運転されたのが、我が国、最初のようですが、キハ55は車体幅を電車、客車と同じ、2800mmとした2機関搭載の気動車で、これにより、各地の亜幹線にも気動車準急が生まれ ました。準急「ひだ」もその一つですが、高山線沿線にとっては画期的なことであったようです。
まだ、キハ55が足りないのか、キハ20でしょうか?普通型気動車も連結されていました。
準急「ひだ」705レ富山行 笹津ー楡原
笹津を過ぎると列車は山の中に入ります。神通川の渓谷の上を渡ります。
C58牽引818レ岐阜行 笹津ー楡原
富山〜岐阜間の直通旅客列車はC58に牽引されていました。笹津駅を出発し、築堤上を神通川橋梁に向かう直通列車です。
C11牽引831レ富山行 笹津ー楡原
笹津から二つ目の猪谷までが富山県です。猪谷からは軌道が神岡鉱山に達していましたが、富山〜猪谷間の区間列車はC11牽引でした。
C11牽引830レ猪谷行 笹津ー楡原
C11は下り富山行は正位、上り猪谷行は逆位での牽引でした。
9600牽引上り貨物列車 笹津駅
貨物列車は9600でした。この当時は高山線にも結構、貨物があったのようです。
築堤を登り神通川橋梁に向う9600牽引上り貨物列車 笹津ー楡原
笹津駅を発車して、神通川橋梁に向います。
り神通川橋梁を渡る9600牽引上り貨物列車 笹津ー楡原
神通川を渡るといよいよ、飛騨山地に突入です。神通川に沿って猪谷まで走り、それから、飛越国境の深い山地に分け入ります。
準急「ひだ」も特急「スーパービューひだ」に成長しましたが、最近まで、災害で、飛越県境が長い間、不通になっており、この線の環境は50年前と大きく変わらないようです。
謝辞
このページ作成にあたり、友人のT.Nさんから貴重なアドバイスを頂きました。
深謝いたします。
(2008-10-18)
(2016-10-29)タイトル更新