1963年(昭和38年)3月のある日の昼下がり、上野駅地平13、14番線ホームに居りました。誰かを見送った後かもしれませんが、少し列車の姿を留めました。
急行「妙高」2301Dレ直江津行 キハ57 1963-3
13番線には14:52発信越線気動車急行「妙高」直江津行が発車を待っておりました。碓氷峠のアブト式ED42に押し上げられるので、連結器などを強化したキハ57です。寒地対策として、タイホンには蓋があります。
隣の12番線に客車が見えます。
EF571牽引の127レ郡山行 1963-3
EF571に牽引されている東北線普通列車郡山行のようです。
EF571 1963-3
EF571はEF5613号機になるはずでしたが、出力アップをしたため、新しい型式が与えられ、EF57のトップナンバーとなったとのことです。よって、容貌はEF56(2次形)と同じく、パンタグラフが真中に寄っています。
EF571側面(正位) 1963-3
しかし、運転台窓と助手席窓の上には冬の上越線のトンネルのつららを切るフード状のものがありました。「つらら切り」と呼ばれていたようです。このため、より精悍に見えま した。
EF571側面(逆位) 1963-3
SG(暖房用蒸気発生器)が搭載されており、盛んに蒸気を吹き上げています。所属機関区は[宇]、宇都宮機関区です。EF57は上越線の長岡第二機関区、高崎第二機関区から1960年(昭和35年)頃、全機、宇都宮機関区に移動になったようです。
1970年(昭和45年)頃より、東北線の電気暖房化のため、SGは取り外されたとのことです。
EF5711 1963-3
11番線にはEF5711も居ました。こちらは、パンタがキャブ上から飛び出しているEF57の標準スタイルです。
EF566牽引の急行「八甲田」40レ進入 1963-3
14番線にEF566牽引の列車が進入してきました。14:28到着、東北線急行「八甲田」でしょう? デッキの端にテール板が取り付けられていますが、裏返しになっていました。EF56は東海道運用から、直接、東北線用に転属になりましたので、運転台上の 「つらら切り」はありません。
急行「八甲田」40レ 1963-3
急行「八甲田」はナハ11などの軽量客車で編成されていました。
EF58牽引の高崎線列車 1963-3
この後、13番線、14番線にはEF58が並んで、出発を待っていました。
左の14番線は15:28発339レ信越線横川行、右の13番線は16:39発629レ高崎行と思います。
このころは、高崎、上越線客車列車牽引にはEF58が使われていました。やはり、「つらら切り」が付けられており、東海道線用と風貌が変っていました。
既に、中距離列車の多くは電車化されていましたが、まだ、電気機関車牽引の列車も多く残っていた時代の上野駅、地平ホームの一コマでした。
謝辞
このページ作成にあたり、友人のT.Sさん、M.Tさん、T.Mさんから貴重なアドバイスを頂きました。
深謝いたします。
(2008-10-18)
(2016-10-30)タイトル更新