1961年(昭和36年)5月,名鉄のパノラマカー7000系が完成し、6月から、名古屋本線の特急として営業運転を開始するとのことで、その姿を見たいと思い、友人Muさん、Miさんと7月9日(日)の朝、夜行で豊橋に着きました。
7000系パノラマカー 伊奈 1961-7-9 モ3501と7000系パノラマカー 伊奈 1961-7-9
伊奈駅で試運転中のパノラマカーに会うことが出来ました。運転台を上にのせた前部展望室を持ったスカーレットのパノラマカーは画期的な電車でした。「PHOENIX」のエンブレムを前につけていましたが、これは逆富士形の行き先案内板をつけるようになり取り外されてしまいました。
パノラマカーの特急で名古屋に向かいましたが、名鉄が先駆けて採用した高性能カルダン車と共に、戦前の名車も未だ活躍していました。
モ850形+ク2350形 犬山遊園 1959年頃
1937年(昭和12年)に当時、流行していた流線形のモ850、ク2350形が作られました。前面が傾斜し、コメカミに3本のヒゲがあり、「なまず」の愛称を付けられていました。
3400系 神宮前 1961-7-9
名岐鉄道のモ850と同時期に愛知電気鉄道(愛電)により作られたのが流線形3400系でした。モ850がダークグリーンでロングシート化され、犬山線、常滑線系統の普通電車に使われていたのに対し、 関西急電用流線形国電モハ52に似ており、マルーンとピンクがかったクリームのツートンカラーで、クロスシートを備えた3400系は特急、急行電車として使われていましたが、高性能カルダン車の出現で普通電車として運行されることも多くなっておりました。
3500系 ク2555(先頭) 神宮前 1961-7-9
戦中から戦後に渡って作られた3500系は3扉ロングシートで、普通として使われていたダークグリーンの地味な存在でしたが、これ以降の名鉄吊り掛け車のスタイルを確立した電車でした。
モ3901(先頭) 神宮前 1961-7-9
2扉クロスシートの特急用3850系の改良型3900系は2扉クロスシート、広窓、太いウインドシルを持ち、マルーンとピンクがかったクリームのツートンカラーの堂々たる風格を持った名鉄の吊り掛け車の最後を飾る電車でした。
ク2900(Tc)+モ3950(M)+サ2950(T)+モ3900(Mc)4両固定編成とのことです。この写真の電車は手前から
モ3901+サ2951+モ3951+ク2901のようです。下の写真は同じ編成の後尾からみたものです。制御車(Tc)にもパンタグラフが付いておりました。
ク2901(先頭) 神宮前 1961-7-9
しかし、3900系は既に、特急運用からははずされ、普通として走ることが多くなっていました。
ク2903(先頭) 犬山遊園 1959頃
別の編成の3900系です。前面窓がアルミサッシになっており、少し、容貌が変わりました。
5000系 神宮前 1961-7-9
5000系は1955年(昭和30年)にモノコック軽量車体、高性能カルダン駆動の最先端電車でした。長野電鉄2000形はこの電車をベースに作られたとのことで、窓廻りはそっくりですが、5000系は下部に丸みがついており、印象が大分変わっています。
5500系 新名古屋ー栄生 1961-7-9
5500系は料金不要の特急電車として、初めての冷房電車として、注目を集めた電車です。パノラマカーを除いて、当時の名古屋本線、特急の主力でした。
45年前の名鉄は次々に最先端の電車を登場させ、ついにパノラマカーが出現しました。鉄道ファンとしては、オールド・グッディの名鉄ではありました。
3900系について、地元のMさんとMuさん,翌檜鉄道さんにアドバイス頂きました。感謝いたします。
参考文献
鉄道ピクトリアル 1971年1月号Vo246 特集名古屋鉄道
(2007-5-20)
(2016-11-1)タイトル更新
TERUTERU MAEDAさんのホームページ”まえだやしき”を紹介させて頂きます。名鉄の写真がたくさん載っております。
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