鉄道が好きな仲間が集まり、気楽な会を作り 4年目を迎えました。1963年(昭和38年)1月末に新年会を伊豆で行い、翌日、御殿場線を撮り、新松田付近で小田急を写しました。
3000系SE車、特急新宿行 新松田ー渋沢 1063年1月28日
既に、冬の太陽は傾き、富士や箱根連山のシルエットをバックに新宿行き特急SE車が走りぬけて行きました。新幹線の基礎データも与えたSE車はスタイルも斬新でした。
デハ1200形+デハ1200形+クハ1400形、普通新原町田行 新松田ー渋沢 1063年1月28日
同じく、富士を背に、開通時の1927年(昭和2年)に長距離用として作られたデハ1200形来ました。新原町田行 普通電車です。既に、車体更新され、デハ1400形と同じ、正面貫通扉付になっていました。
3000系SE車、特急新宿行 新松田ー渋沢 1063年1月28日
1957年(昭和32年)に出現した3000系SE車は既に6年間、小田急のエースとして、走り続けていましたが、この年の4月には展望車付の3100形が就役し、徐々に主役の座を譲ることになる運命にありました。
クハ1450形、クハ1454 普通新原町田行 新松田ー渋沢 1063年1月28日
デハ1400形、クハ1450形は1930年(昭和5年)の江ノ島線開通時に作られたもので、デハ1200と共に、小田急創業時からの歴史を担った電車と言ってもよいでしょう。訪れた時は、既に、普通電車に使われていましたが、姿を消すのはこれから、そんなに長くはかからなかったようです。
2400系、急行新宿行 新松田ー渋沢 1063年1月28日
2400系HE( High Economical car)車は1960年(昭和35年)から作られた当時の最新鋭電車です。建設費、保守費、2割削減というのが設計理念とのことでした。カルダンドライブやWN駆動の電車はオールM車と言うのが常識であったものをTcMMTcとしたところが、その基本であったようですが、制御車(Tc)の車長が15.4mと電動車(M)の18.8mに比べ、極端に短くなっていました。これは、M車を重くして、粘着力を増すことと、M車の電気制動の制動力を期待してのことだったと思います。通勤車両としては画期的なものだったと思いますが、車によって、扉の位置が異なるのは、客扱いから見てどうだったでしょうか?
クハ1850形+デハ1800形 下り普通列車 新松田ー渋沢 1063年1月28日
デハ1800形、クハ1850形はいわゆる63形です。 終戦直後の1946年(昭和21年)に国鉄63形の電車が割り当てられたものです。切妻の味気ない顔をしていましたが、今となっては、懐かしい感じも致します。
(クハ1950形+デハ1900形)x2ユニット 急行新宿行 新松田ー渋沢 1063年1月28日
デハ1900形、クハ1950形は1948年(昭和23年)に小田急が東急から、独立して初めて作った戦後の私鉄標準スタイルの電車で、クハ1900+モハ1900、2ユニットの4両編成で、急行に使われることが多かったようです。
キハ5000形、準特急御殿場行 新松田ー渋沢 1063年1月28日
国鉄御殿場線直通、新宿ー御殿場間の準特急が、1955年(昭和30年)からキハ5000形を使って運行されていました。性能は2エンジンを持った国鉄の気動車と同じであったようですが、クリームに朱の帯が映えたスマートな車でした。
1960年夏の盛りに片瀬江ノ島で、小田急の電車を一寸撮りました。序に、ご覧頂きましょう。
デハ1706(先頭)の4連、急行新宿行 鵠沼海岸ー片瀬江ノ島 1960年8月
デハ1700形、サハ1750形は1951年(昭和26年)に小田急始めての特急専用電車として作られたもので、Mc+T+Mcの3両編成で、ブルーとイエローのツートンカラーも映えて、小田急ロマンスカーとして、最もイメージに浮かぶ電車でした。1957年(昭和32年)3000系SE車の出現により、急行用に格下げになりました。3扉で、マルーンになり、サハ1950を新製し、Mc+T+T+Mcの4両固定編成になりました。しかし、大きな2枚窓は特急時代を思い出させてくれ るノーブルな顔でした。
デハ2200系 2連、普通江ノ島行 鵠沼海岸ー片瀬江ノ島 1960年8月
デハ2200形は1954年(昭和29年)に小田急が始めて製作した高性能車です。オール電動車、直角カルダンドライブで、正面2枚窓、ブルーとイエローのトートンカラーでした。
これらの電車、気動車は全て鬼籍に入ってしまいました。
一緒に撮影した気楽な会のメンバーも当時は紅顔の美青年であった人もいますが、今では、歳相応のおもむきになり、こんな電車の写真を見て、創業以来の歴史的な車両と同時に、現在の最新鉄道車両の基礎を作った電車にも会えたのは本当に幸せであった等と話しながら、酒を酌み交わすこともあります。
参考文献
鉄道ピクトリアル1959年10月号ー12月号 通巻99号ー101号 私鉄車両めぐり(37)小田急電鉄
鉄道ピクトリアル1960年2月号、通巻103号 わだいのくるま65 小田急電鉄新経済車(HE車)
鉄道ピクトリアル1963年4月号、通巻143号 私鉄車両めぐり(55)小田急電鉄補遺
尚、この撮影に同行され、小田急沿線在住の友人むーさんに撮影場所、車両の特定などで、多大なご協力を頂きました。
(2006-7-22)
(2016-11-2)タイトル、画像拡大更新