尾小屋鉄道は小松より鉱山のある尾小屋迄、16.8km、軌間762mm、非電化の石川県では唯一の軽便鉄道でした。昭和38年(1963年)9月、連休を利用して、 友人と北陸の鉄道を訪問したとき、立ち寄りました。
尾小屋鉄道は北陸本線小松駅の近くの新小松駅から出ています。
尾小屋鉄道 新小松駅 昭38/9
国鉄小松駅の裏に尾小屋鉄道の新小松駅はありました。駅本屋は木造2階建ての古風な建物で、本社もここにあるようで、入り口には「尾小屋鉄道」と大書した扁額のような看板が掛かっておりました。
キハ1+ハフ2 倉谷口行 新小松 昭38/9
駅ではキハ1が発車を待っておりました。 早速、これに乗りました。
尾小屋鉄道車内補充券
車掌から、記念の為、車内補充券を買いました。乗車券は別に求めておりましたので、車掌さんは出来るだけ安くしてやろうと配慮されたようで、西吉竹ー吉竹間、小児、金5円也です。
交換駅は金平です。こちらの列車が先に到着、新小松行きの列車を待ち合わせです。
列車交換、停車中の列車はキハ1+ハフ2、倉谷口行 金平 昭38/9
乗車した列車はキハ1がハフ2を牽いています。
上り新小松行列車接近 金平 昭38/9
新小松行上り列車が入ってきます。蒸機時代の給水塔があります。
DC122牽引上り新小松行列車 金平 昭38/9
上り列車はDC122に牽かれています。
交換風景1 金平 昭38/9
交換風景2 金平 昭38/9
金平駅の小さな島式ホームに下りの気動車列車とディーゼル機関車牽引の列車がとまっています。乗客もそれなりにありました。
キハ1 終着倉谷口駅到着 倉谷口 昭38/9
この時は、倉谷口ー尾小屋間は災害のため不通になっていました。倉谷口駅は寂しい駅でした。牽いてきたハフ2をどこかに忘れてきたようです。
新小松駅には小さな車がおりました。
キハ2 新小松 昭38/9
キハ2 新小松 昭38/9 DC122 新小松 昭38/9
ホハフ3 新小松 昭38/9 ホハフ5 新小松 昭38/9
ホハフ1 新小松 昭38/9
キハ1は昭和12年、日車製、キハ2は13年、日立製で、軽便のガゾリンカーの標準的なスタイルといえますが、キハ2は荷物台が付いており、より軽便らしい車と言えるでしょう。
ホハフ1は明治45年製、ホハフ3,5は大正10年製という木造ボギー付随車で、元三重交通の車とのことです。
尾小屋鉄道は昭和52年(1977年)3月に廃止になりましたが、キハ1、DC121は「なかよし鉄道」で運転されており、キハ2は尾小屋で動態保存されているとのことです。
尾小屋鉄道は廃止後も話題になることが多く、車両も幸せな余生をおくっているように思われます。
(2005-5-25)
(2016-11-4)タイトル更新
(2021-7-24)一部訂正
軽便鉄道シリーズ
狭軌の国鉄より更に1フィート狭い2フィート6インチ(762mm)ゲージの軽便鉄道が全国各地にありました。ほとんどがバスとの競争に敗れ、昭和30年代から40年代はじめに姿を消しました。本ページ以外に下記の軽便鉄道の最後の姿をご覧頂けます。(下のアイコンをクリックして頂くとご覧頂けます。)