仙台鉄道(1959年)
国鉄仙山線の北仙台から北上し、陸羽東線、西古川に達する 仙台鉄道がありました。路線距離が43.9kmと762mmゲージの軽便鉄道としては静岡鉄道駿遠線に次いで長かったのではないでしょうか?
1925年(大正14年)に全通したこの鉄道は1950年(昭和25年)8月に水害の為、その大半の北仙台ー加美中新田(かみなかにいだ)が不通になり、そのまま、廃止になって、しまいました。友人と訪れた1959年(昭和34年)10月には加美中新田ー西古川間3.4kmのみが軌道線として残っていました。この区間も翌1960年 (昭和35年)4月30日に最後の運転を行い、廃止になってしまいました。
発車を待つDB701+ハ1+ハ2 加美中新田 1959−10-17
訪れた時はDB701が客車ハ1、ハ2を牽引した列車で運行していました。DB701は1952年(昭和27年)協三工業製の出力85HPのディーゼル機関車で、蒸気機関車が置き換えられたとのことです。ハ1、ハ2は1928年(昭和3年)丸山車両製ボギー客車で、かっては2,3等合造車であったとのことです。
DB701が導入されたのは、北仙台ー加美中新田間が休止になった後です。加美中新田ー西古川間のみの運転になっても、陸羽西線の支線的な存在として、まだ、輸送需要がそれなりにあったのかもしれません。
キハ3 加美中新田 1959−10-17
キハ3が昼間の時間帯に運行しているようです。客車よりの改造車でボギー車です。
キハ4 加美中新田 1959−10-17
キハ4は1940年(昭和15年)に丸山車両で新製したもので、2段上昇窓を備えた半鋼車ですが、4輪車です。訪問当時は休車状態のようでした。
有蓋貨車ワフ1 加美中新田 1959−10-17
唯一稼動状態の貨車ワフ1が加美中新田構内にありました。
西古川駅停車中のDB701+ハ1+ハ2 西古川 1959−10-17
西古川駅を発車するDB701+ハ1+ハ2 西古川 1959−10-17
西古川から加美中新田に行き、構内に留置されている車を撮り、西古川に引き返しました。以上、僅かな写真ですが、当時のの車のほぼ全てが写っていると思われます。
これらの車両は全て、スクラップになってしまい、現存はしないようです。
参考文献
鉄道ピクトリアル1960年6月号 通巻107号、P61 消えゆく鉄道@
鉄道ピクトリアル1963年11月号 通巻151号、P57 失われた鉄道・軌道を尋ねて[14]仙台鉄道[前]
鉄道ピクトリアル1963年12月号 通巻152号、P58 失われた鉄道・軌道を尋ねて[14]仙台鉄道[後]
(2007-11-20)
軽便鉄道シリーズ
狭軌の国鉄より更に1フィート狭い2フィート6インチ(762mm)ゲージの軽便鉄道が全国各地にありました。ほとんどがバスとの競争に敗れ、昭和30年代から40年代はじめに姿を消しました。本ページ以外に下記の軽便鉄道の最後の姿をご覧頂けます。(下のアイコンをクリックして頂くとご覧頂けます。)
(610mmゲージ)