おおよそ50年前の1959年(昭和34年)には未だ学生でしたが、青山、外苑前に居ましたので、都電とは顔なじみでした。青山通りを走る9系統(渋谷、青山〜銀座〜水天宮、浜町)、10系統(渋谷、青山〜九段下〜須田町)は6000形が走る都電の幹線でした。これらと交わるように走っていたいくつかの小型電車の走る支線的な系統がありました。

 この中で、飯倉片町の急坂を登る33系統と外堀に沿って走る3系統を写しに春の一日、カメラを持って出かけたようです。

 

都電車内掲出「電車案内図」(一部)

 

 

33系統は浜松町一丁目〜神谷町〜六本木〜四谷三丁目の比較的短い運行ですが、飯倉片町の坂を登ります。神谷町方面からの桜田通りを少し登ったところに外苑東通りと交差する飯倉交差点がありました。外苑東道路は六本木に向って、急坂になっており飯倉片町に達します。

 

飯倉片町の坂を登り始める1200形1272、33系統

 

 この写真の左横から右横に桜田通りが延びております。左は神谷町方面で、右が赤羽橋方向です。電車の後が飯倉交差点で、33系統の電車は交差点を右折して、外苑東道路に入り、急坂を登り始めます。

桜田通りを神谷町から赤羽橋に直進する3系統と8系統(中目黒〜赤羽橋〜神谷町〜虎ノ門〜銀座〜築地)の電車は飯倉交差点をサミットとして、下って行きます。

 

飯倉片町の坂から神谷町方向を望む、1200形1209、33系統

 

 飯倉片町寄りから飯倉交差点方向を眺めたものです。

 

飯倉片町の坂を登る1200形1272、33系統

 

飯倉片町の坂を登る1200形1223、33系統

 

 右にカーブを描きながら飯倉片町に向って登って行きます。道路の舗装が急坂を登る車のスリップ防止のため、石畳状になっています。5%ぐらいの急勾配と思います。

 33系統は1200形がもっぱら、使われいていました。 

1200形は1937年(昭和12年)から、作られた車長10mの小型半鋼製ボギー車ですが、当時流行の半流線形スタイルでした。

 

 

 3系統(品川駅〜札の辻〜赤羽橋〜神谷町〜虎の門〜赤坂見付〜四谷見附〜飯田橋)は赤坂見付〜飯田橋間で外堀に沿って走っており、特に、四谷見附までは変化に富んでおりました。

 

700形713、3系統 赤坂見付

 

 700形は1942年(昭和17年)に製作された車長10mの小型半鋼製ボギー車で、ノーシル・ノーヘッダーの半流線形スタイルでした。 1200形と大きさはほぼ同じですが、両端が絞られているので、より小さく見えました。この3系統のみで見られました。

 

赤坂見附交差点から弁慶掘に沿って走る700形706、3系統

 

 赤坂見付交差点より、弁慶掘に沿って走ります。

 

弁慶掘に沿って四谷に向かう700形708、3系統

 

 弁慶掘に沿った道路の端を走り、紀国坂を登るのを避けるように専用線に入ります。

 

上智大学グランドの上の専用線を行く700形702、3系統

 

 外堀に設けられた上智大学グラウンドの少し上を専用線は走ります。上の道路の反対側は迎賓館です。

 

地下鉄丸ノ内線の300形     四谷駅

 

 クロスする地下鉄丸ノ内線には深紅にサインウェーブを真中にした白帯を巻いたスマートな300形が走っていました。

 


 

 何故か?同じフィルムにこんな写真がありました。

 

元王子電車の専用線を走る170形、173 32系統 鬼子母神〜学習院下

 

 元王子電車の路線、現在の都電荒川線の専用線を元王子電車170形、173が走っています。170形は高床式電車で他の都電と雰囲気が違います。32系統は荒川車庫〜王子駅〜早稲田間で、三ノ輪橋〜荒川車庫〜王子駅〜赤羽間は27系統として運行されていました。

 

銀座通りを走る1100形、1111 銀座七丁目〜銀座四丁目

 

 銀座通りを1100形、1111 ぞろ目が走っています。回送車で、4系統担当の目黒車庫の車か?40系統担当の神明町車庫のものか?わかりません。

 わかりました!!

 Cedarさんのブログ(2010-2-18版)を拝見し、1111は神明町車庫の電車であることが、わかりました。

     http://cedarben.blog.so-net.ne.jp/archive/20100218

 

 1111は都電唯一つのぞろ目かもしれないようです。

 なにか、幸せな気分になりました!

 Cedarさんに謝意を表したいと思います。(2010-2-19追記)

 


 都電は1964年(昭和39年)頃から、黄色にエンジの帯を巻いた出で立ちになりましたが、それまでは、グリーンとクリームの塗り分けでした。残念ながら、カラーフィルムなど高嶺の花であり、モノクロだけですが、荒川遊園に保存展示されている6152の色から連想願います。現物より、やや派手な感じも致しますが!

 

荒川遊園に保存展示されている6000形、6152  2005-4-5

 

 

謝辞

 「むーさん」さまから本ページ作成に当たり、貴重な情報を頂きました。 謝意を表したいと思います。

 

(2008-10-1)

(2010-2-19改訂)
(2016-11-7)タイトル更新


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