熊延鉄道(1964年)
熊延(ゆうえん)鉄道は南熊本から南下して砥用に達する28.6kmの非電化、ゲージ1067mmの鉄道でした。名前から察すると、熊本から宮崎県の延岡を結ぶ鉄道を目指したようですが、1964年(昭和39年)3月 31日に廃止になって終いました。
で、4月2
9日に熊本市電を乗り廻し、南熊本駅に来ました。南熊本駅に隣接する熊延鉄道の車庫には未だ、車両が留置されておりました。
ヂハ101形、ヂハ102 南熊本 1964-4-29
ヂハ101形は1950年(昭和25年)汽車会社製機械式ディゼルカーで、前面2枚窓、車長15.5mの私鉄ガソリンカーによくあるスタイルでしたが、ピンク系にブルーの帯をしめた派手なカラーでした。
ヂハ200形、ヂハ201 南熊本 1964-4-29
ヂハ200形は1953年(昭和28年)帝国車両製機械式ディゼルカーで、前面2枚窓の湘南電車スタイル、車長17.6mの地方私鉄としては堂々たる車でした。コバルトブルーとクリームのツートンカラーで、正面は金太郎塗り分けになっていました。
スカ線をイメージした色かも知れません。
ヂハ101形、ヂハ101とヂハ200形、ヂハ202 南熊本 1964-4-29
ヂハ101形はヂハ101、ヂハ102、そしてヂハ200形はヂハ201、ヂハ202と各2両ありましたが、ヂハ101形は玉野市営鉄道に、ヂハ200形は江若鉄道に貰われて行きました。
ヂハ103形、ヂハ103 南熊本 1964-4-29
ヂハ103形ヂハ103は1952年(昭和27年)に島原鉄道から譲り受けた車長13mの機械式ディゼルカーです。[元島原鉄道キハ104−1934年(昭和9年)日車製]
ハ31形、ハ31 南熊本 1964-4-29
ハ31形、ハ31は1932年(昭和7年)製の片ボギーガソリンカーを戦争中、付随車化したもので、ヂハ101形やヂハ200形に牽かれてラッシュ時に使われたようです。
ハ11形、ハ11 南熊本 1964-4-29
ハ11形、ハ12 南熊本 1964-4-29
ハ11形(ハ11、ハ12)は1928年(昭和3年)梅鉢鉄工所製の4輪ガソリンカー、ガハ11、12を付随車化したもので、ハ31と同じように使われていたようです。
蒸気機関車 5 南熊本 1964-4-29
1932年(昭和7年)日車製のC形タンクロコで、廃止時まで、動いていたようです。
昭和20年代には客が増加したようで、ローカル私鉄としては大型のディゼルカーを新製しましたが、平行する自社バスとの競争に負け、廃止になったようです。廃止の前に既に日中はバスで代行し、鉄道輸送は朝夕のラッシュだけだったようです。
参考文献
鉄道ファン 1964年6月号通巻36号 消えたローカル私鉄 熊延鉄道
熊延鉄道の廃線探索は
をご覧願います。
(2011-1-17)訂